真空トイレシステムのメリット
真空式トイレは飛行機や新幹線のトイレが有名ですが、自動車運搬船、フェリー、客船などの船舶でも採用され、下記メリットにより、貨物運搬船にも採用が増えています。
従来の重力式トイレでは自然落下を促す為に、数パーセントの下り勾配と空気抜き用のエアベントが必要となり、船舶の場合は汚水の逆流や汚水が流れにくいという現象が生じる問題があります。
しかし、真空式トイレは下り勾配は不要で、真空の力で強制的に汚水を搬送しますので、汚水の逆流や汚水が流れにくいなどの心配がありません。
また、従来式トイレでは口径100A以上の配管が必要となりますが、真空式トイレは40A~65Aと配管サイズが小さく、狭いスペースへの融通が利き、居住スペースの拡大などが実現できます。
そして真空式トイレの一番のメリットは、海上で貴重な清水の節水です。
真空式トイレのメリット
- 節水:重力式トイレは1回の洗浄に5ℓ~8ℓの水が流れますが、真空式トイレは1回の洗浄で1ℓ程度の水で済みます。
- 配管径が小さい:真空式トイレの配管は40A~65Aで余分な配管(エアベント)が無く重量削減にも寄与します。
- 下り勾配は不要:立上げ配管が可能で船舶の下部甲板にトイレを設置する事もできます。
真空式トイレの原理
次回は真空生成方法について
- Ejector方式
- バキュームレーター方式